ないのです。ほとんどないのです。
というか、これは問題のたて方を間違っているのです。
B級映画とは、価値があるから観るものではありません。
その唯一の存在意義とは、暇つぶしなのですから。
かつてもそうだったし、今もなおそうなのです。
もともとB級映画というのは、映画がロードショーで2本立て上映されていた頃(地方館では今でもそうだけど)、おまけで上映された低予算映画。
おもしろすぎて本編を食ってはいけないし、かといってつまらなすぎて客を帰らせてもいけないし、もちろん製作費も納期も厳守だし云々云々、といろいろあるけれど、一方でその条件さえ満たせば多少いい加減でも許されたから、たまにわけのわからない変な代物がまぎれこんでくるのです。
現在一般に言われるB級映画というのは、それが拡大解釈されて、低予算のホラー映画やSF、それにポルノみたいなジャンルすべてを含むようになっていますが、まあ事態は似たようなものです。
この氏素性からも明らかなように、B級映画はさっと観流されるべき、あっさり消費されて忘れられるべき代物なのです。
それをわざわざ映画館に観に行く必要はないのです。
大学生ならいざ知らず、専業の映画感想屋ならいざ知らず、社会人はそれほど暇じゃないのです。
ビデオ屋はいい線です。しかし、まだ物欲しげな感じ。
毒にも薬にもならない暇つぶし、というB級映画に最もふさわしい出会いの場は、深夜のテレビでしょう。
監督も、役者も、多くの場合はタイトルすら知らない、あえて調べる気にもならない映画の群れ。
ギタギタにカットされまくった、時にストーリーすらろくに追えなくなった映画・・・つまらないのは承知のうえ。
どうせ疲れてるから、つまらないほうが神経にさわらなくて好都合。
B級映画の教えとは、くだらないものでも(時には)ないよりまし、ということかもしれません。
そこに加えて一つでも楽しある部分があれば、望外の歓びとしなくてはなりません。
しかし人生というのも(たぶん)そんなものでしょう。
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